南洲翁遺訓 - 42 追加一

事に当り思慮の乏しきを憂ふること勿れ。凡そ思慮は平生黙坐靜思の際に於てすべし。有事の時に至り、十に八九は履行せらるるものなり。事に当り卒爾に思慮することは、譬へば臥床夢寐むびの中、奇策妙案を得るが如きも、明朝起床の時に至れば、無用の妄想に類すること多し。